道のりは険しい

秋 干し柿
・おおかた橙色に色づいた渋柿 
・焼酎 アルコール度数25%
枝をT字に残して渋柿を収穫する。
ピーラーで皮を剥く、
ガクを取るべきか取らぬべきか毎年悩むが、手間なので結局ガクはいつも取らない。
深めのタッパーに焼酎を注ぎ、一つずつ柿に焼酎がつくようにくぐらせる。
紐にT字を引っ掛けるように四つ結びつける。
日の当たる場所に干す。

周りにこなが吹き始め、出来上がりまで間もなくの早朝、屋根でガタガタ聞き慣れない音がした。
獣だな。あっ干し柿やられた。とわかった。
日が登り二階に上がり確認する。少ない。半分ごっそり持ってかれた。
屋根には無惨に紐が絡んでる。
朝、出勤した夫がすぐに帰ってきた。
「上の道に干し柿落ちてた。これそうか?」手には白い粉が吹き始めた干し柿。
これ私のだわ。
埃を手で拭ってかじった。トロッとし、うまい。
来年は、もっと賢く干さなければいけない。