桑の実収穫②「少女に戻った。」

桑の実とり3日目、緒方町の大先輩と摘みに行く。
「ここにも、ほらあの木も桑よ。」
大先輩は70歳台ではないかと思うが、驚くほど目がいい。
そして収穫が早い。
今度はあっちに行こうかと話しながら、藪をこいでいく。
桑の実はどう食べるか?と聞くと、
「そのままよ。子どもの頃のおやつだった」と言う。
「この実いじけてる。」
見ると成長を途中でやめたようだ。
彼女の言葉の言い回しにやられた。
夢中で桑の実を収穫する私たちは、学校帰りのティーンエイジャーだった。
帰りに、ほれこれ。
と貸してくれたのは、小型の箱罠。
穴熊が住み着いて困ってると話したからだ。
ああすごい。ああ逞しい。